母子感染
まだ5月ですが連日の天気の変化に体調を崩されている方も多いのではないでしょうか
水分、塩分補給をしっかりしてくださいね
ここ最近、妊婦さんの受診が増えてます。
そこで妊婦さんの口腔内について少しお話していきたいと思います。
妊娠中は口内環境が悪化しやすくなってます。
妊娠すると女性ホルモンが増え、妊娠の維持に必要なエストロゲン、プロゲステロンの分泌量が
それぞれ100倍10倍にもなり、唾液や歯周ポケットから出る
液体の中に含まれる女性ホルモン濃度が増加します。
実は、歯周病を引き起こす菌は女性ホルモンが大好物。
女性ホルモンが増加すると歯周病菌が活発になり歯周炎が起きやすくなってしまうのです。
約9割の妊婦さんが歯ぐきが腫れたり、出血したりするなど歯周病にかかっているとされています。
こうした妊婦さんの歯周病のことを「妊娠関連性歯肉炎」と言います。
では、具体的にどんな変化が起きるのか…
〇妊娠すると唾液も変化する
唾液の量は少なくなりネバネバに自浄能力が低下することで歯周炎や虫歯になりやすくなってしまうため
妊娠前より、さらに丁寧なケアが必要になってきます。
〇つわりは歯に良くないの
胃酸の逆流やすっぱいものを摂取することで口の中が酸性に傾きがち
歯の表面が溶けやすくなっているため放っておくと虫歯になってしまいます。
つわり中、歯を磨くのも大変かもしれませんが歯を守るために
ぶくぶくうがいや歯磨きはとても大切です
〇ママの歯周炎は、お腹の赤ちゃんにも影響がある
あります
炎症をおこす物質が血液を介して子宮に伝わり、早産のリスクが高くなり、
そのリスクは歯周病がない人、あるいは軽度の人に比べると7倍と言われています。
また、歯周炎があると胎児の成長にも影響があると言われており
2500グラム以下の低体重児になりやすいそうです。
最後に、健康な赤ちゃんを産むために大切なのは常に清潔なお口を保つこと
特に初期の場合だとつわりがひどかったり、流産のリスクが高かったりするため
治療による緊張状態は避けたいところですが、健康な赤ちゃんを産むためにも
安定期に入ったら定期検診を兼ねて歯科で診てもらうのもいいですね
また、妊娠中だけでなく、産後のケアも大切です
日々の清掃はもちろんですが、親が使ったスプーンや
うがいのコップなどで感染してしまいます。
感染が遅ければ遅いほど発症も遅くなりますので、なるべくご家族全員が
清潔なお口を維持できるよう、赤ちゃんへの感染を防ぎましょう