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「睡眠の質」続き

前回は「質の良い睡眠」を得るためのポイントについてお伝えしました。

今回は、睡眠によって起こる、身体への影響についてお伝えしたいと思います。睡眠には疲労回復など、休息という役割だけでなく、自律神経や免疫機能を整えたり、記憶力低下を防いだり、という重要な役割を持っています。

日本人の睡眠時間は、世界で最も短いと言われていて、その中でも、女性で家事や育児の負担が大きい人は、更に睡眠時間が短く、週末を含め、慢性的な寝不足状態にあるということです。

睡眠不足による弊害は様々です。

例えば糖尿病!

睡眠時間が短くなると、レプチン(食欲を抑えるホルモン)が減少し、反対にグレリン(食欲を増やすホルモン)が増加します。これにより、食欲が増し、食事量が増えていきます。その結果、体重も増え、血糖コントロールも悪化してしまい、その上、短時間の睡眠では、インスリンの働きを抑えるホルモンが増えるため、インスリンの効きが悪くなり、血糖値の上昇が起こります。睡眠不足によって糖尿病のリスクが高まると、それに伴い、糖尿病と関係の深い歯周病までもが悪化してしまうので、歯周病の治療には、お口の中の清掃だけでなく、睡眠をきちんと取ることも大事になります。

この他、慢性的な睡眠不足では、狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患に掛かりやすいことも分かっています。

また、睡眠が6時間未満の人は風邪をひきやすい、というデータもあります。7時間以上の人と比べて、4.2倍も風邪をひく確率が高いそうです。なぜかと言うと、睡眠時間が短いと自律神経が乱れ、ヘルパーT細胞(異物の情報をキャッチし、他の免疫細胞に指令を出し、攻撃させたり抗体を作らせたり分解させたりする)などの免疫機能にも悪影響が出るためです。前回「質の良い睡眠」を得るためには、休日も普段の生活サイクルを乱さないよう、いつもと同じ時間に起きて・・・とお話しましたが、休日前夜、ついつい夜更かししてしまった・・・ということであれば、翌朝無理に早起きしても睡眠時間が短くなってしまうので、就寝時刻もあまり変動しないほうが良いでしょう。

そして、成長ホルモンも寝なければ分泌されません。「寝る子は育つ」と言いますが、これは寝ている間に成長ホルモンが分泌されるからです。大人にとっても成長ホルモンは重要です。それは、成長ホルモンは骨や筋肉の成長を促すだけでなく、傷んだ細胞を修復したり、疲労回復にも効果があり、免疫力のアップに繋がるからです。

成長ホルモンは、睡眠の中でも深い眠りの「ノンレム睡眠」中に活発に分泌されるので、4時間程度の短い睡眠や浅い眠りでは十分に分泌されません。なので、睡眠時間を極端に削らないように注意しましょう。

2021年09月21日 13:18|コメント(0)トラックバック
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