オーラルフレイル
日本人の平均寿命は延び、女性が87.14歳、男性が80.98歳となり
過去最高を更新しました。(2016年現在)
長寿だけでなく、元気に長生きすることの重要性が注目され、「健康寿命」という言葉がよく使われるようになりました。健康寿命を延ばすためには、「病気の早期発見・早期治療」だけでなく「“危険な老化のサイン”の早期発見・早期対処(元気で長生きするために)」が重要です。
さらに最近では、“危険な老化のサイン”よりさらに軽度なサイン、つまり“ささいな身体のトラブル”を見逃さないことも重要になってきました。
それが「フレイル」という考え方です。
このフレイルという言葉は従来の虚弱という意味ですが、前向きな気持ちで様々な予防を実践することにより色々な機能を戻すことができることを意味したことばです。
高齢者のお口に目を向けてみますと、現代の高齢者は自分の歯を多く残されており、80歳で20本の歯を残すことを目標とした「8020運動」達成者は、5割を越えています。(2017年調査)
こういったお口の状況になった現在、高齢者の快適な食を支えるためには、歯の本数だけではなく、それに加えて
“お口の働き(口腔機能)のささいな衰え”を軽視しないことの重要性が注目され、「オーラルフレイル」という概念が提案されました。
オーラルフレイルとは、直訳すると「口の機能の虚弱」ですが、これはお口のまわりの“ささいな衰え”を放置することが、お口だけでなく身体状態までドミノ倒しのように“負の連鎖”につながる危険性をしめしています。
具体的には、お口の機能低下みられ、滑舌が悪くなり、噛みにくいと感じる食べ物が増え、それを放置したり、無視したりしてしまうと、次の段階として、食欲低下やバランスの良い食事を摂ることが難しくなり、噛む力や舌の動き、食べる量が低下し、さらに低栄養、サルコペニア(筋肉減少症)を引き起こすことになります。
オーラルフレイルの段階、フレイルの前段階で早く発見できて適切な処置やトレーニングができれば、健康な状態にもどることができます。
健康の秘訣は、栄養と運動と睡眠といわれていますが、高齢者にとっては、健康なお口でなんでもたべられることが、一番大事なことかも知れません。
健康寿命をのばすためにも、かかりつけ歯科医院での歯科検診をおすすめします。
口腔機能向上のためのリハビリについても遠慮なくご相談ください。お待ちしております。