歯ブラシの歴史
皆さん、こんにちは
今回は歯ブラシの歴史についてお話します。
健康な生活を送るためには、歯と歯ぐきの健康を保つ「オーラルケア」が大切だと言われています。でも、なぜオーラルケアが全身の健康にまで大きな影響を及ぼすのでしょうか。
歯や歯ぐきの健康が損なわれると、頭痛、顔面の痛み、不眠、食欲不振、気分の変化などを引き起こす場合があります。そして、歯周病や糖尿病、心臓病などの病気を悪化させるケースが報告されています。
オーラルケアに欠かせないもの。それが歯ブラシです!人類は、古代からさまざまな工夫をこらしてオーラルケアにつとめてきました。
江戸時代ごろにはインドから房楊枝(ふさようじ)が伝えられたといいます。庶民にも歯磨きが伝わったのが江戸時代中期です。歯磨き粉と房楊枝が商品になったのがきっかけです。房楊枝とは、木の枝を18cm程の長さに細く削り、煮て柔らかくした後、片方の先端を木槌で叩いてブラシ状にしたものです。 江戸時代の歯磨き粉は陶器の材料となる陶土から作る磨き砂に、薬効のあるハッカやチョウジなどを加えたものです。
では、現在のような形の歯ブラシはいつ登場したのでしょうか。 一説には、中国の皇帝が骨や竹を台にして、豚の固い毛を植えつけたものが発祥とされています。日本には明治時代も房楊枝が使われていましたが、やがて西洋歯ブラシが流入します。 明治5年頃には「鯨楊枝」(くじらようじ)という名前で国産の歯ブラシが登場しました。しかし、名称は「楊枝」で、横楊枝、歯楊枝、歯磨楊枝などと呼ばれていました。本格的に製造が始まったのは、明治23年に大阪盛業会社が「歯刷子(はぶらし)」という名称で出品されたことがきっかけでした。
初期の歯ブラシはクジラのヒゲの柄に馬毛を植えたものでしたが、やがてセルロイド製が普及していき、関東大震災後には豚毛が使われるようになりました。しかし第2次世界大戦の戦中から戦後にかけて、セルロイドが不足し、木や竹に戻りました。
戦後、歯ブラシの生産は機械化が進み、大量生産が可能な樹脂の柄とナイロン毛の歯ブラシが出回るようになりました。その後、ブラッシングの方法や歯の形状に合わせた様々な商品が開発されてきました。
人類が何千年かけてたどり着いた技術で、より便利に確実に健康を手に入れることができるようになりました。とはいえ全身の健康とも関係が深い歯を守るために大切なのは、やはり地道な日々のケア。テクノロジーの力も借りながら、まずは自分で気をつけることが大切です