噛むことと唾液
みなさんこんにちは
朝晩冷え込むようになってきましたが、体調を崩したりしていませんか?
今回は食欲の秋にちなんで、噛むことと唾液についてお話ししてみたいと
思います
噛むということは、人の健康にとって、とても重要なことです。
奥歯が一本抜けると、噛む力は40%弱まるとも言われています。
うどん、豆腐、バナナのようなとても柔らかいものは、歯が0~5本でも
なんとか噛めますが、スルメイカ、フランスパン、ステーキなどは、
18~28本と、ある程度歯が残っていないと噛めません。
健康で豊かな食生活には、しっかりとした歯でよく噛むことがやはり
大切ですね!
よく噛むことの最大のメリットは、唾液がたくさん出て、消化がしやすい
ことです。また、噛むことで分泌されるヒスタミンという物質が満腹中枢に
働いて、「もうお腹がいっぱいだ」と感じさせるので、よく噛むことは
ダイエットにも有効です。また、噛むという機械的な刺激が、頭やあごの骨、
顔の筋肉の発育につながり、顔の表情を良くすることにつながります。さらに
大脳の働きを活発化します。もちろん、唾液がたくさん出ることによって、
むし歯や歯周病の予防にもなり、このように、「よく噛む」ということには
メリットがたくさんあるのです。
また、この唾液には、単にお口の中を潤すというだけでなく、たくさんの
大事な働きをしてくれています。
①自浄作用
食べた後の食べカスや細菌の塊である歯垢(プラーク)を洗い流してくれる
②再石灰化
飲食により歯の表面が脱灰(歯の表面が溶けかかる)したところを修復し、
むし歯へと進行するのを防いでくれる
③pH緩衝作用
飲食により酸性に傾いたお口の中を中和してくれる
④消化作用
酵素アミラーゼがデンプンを分解し、消化・吸収しやすくする
⑤抗菌作用
抗菌作用をもつ成分が口の中の細菌の増殖を防ぐ
⑥溶解・凝集作用
食べ物を噛み砕いて唾液と交じり合うことで味を感じやすくさせ、また
集めて飲み込みやすくする
⑦粘膜保護・潤滑作用
ムデンという粘性のある物質が、粘膜表面を覆って保護し、舌などの
動きを滑らかにし発声をスムーズにする働きをしてくれる
⑧粘膜修復作用
上皮成長因子と神経成長因子によって、口腔内にできた傷を早く
治してくれる
このように、よく噛んでたくさん唾液をだすことには多くのメリットが
あります。バランスよく噛むことも大事です。
お口の中や体のために、よく噛むことは大事ですが、おいしいものを
無理なく食べられ、味や食感を感じることも幸せの一つですね