気になる便秘のお話
便秘は秘めごと
日本人にとって便秘は「秘めごと」のようで、誰にも相談せずに一人で悩んでいりる人が多いといわれています。
厚生労働省の調査によると人口の約14%が慢性的な便秘だとされ、これはおよそ7人に1人の計算になります。
便秘は女性に多くみられますが、65歳以上になると男性にも増えてきます。
便秘が続くと過敏性腸症候群や大腸がんといった消化器系の病気だけでなく、いきむことで血圧が上がり脳や心臓の血管障害を招くことがあります。
また、高齢者では長期にわたる便秘が精神的ストレスになり、家に閉じこもりがちになって寝たきりにつながるともいわれています。
「たかが便秘、されど便秘」なのです。
便秘を予防することは病気を防ぐ第一歩だといえそうです。
便は食べ物のカスや腸内細菌の死がい、新陳代謝ではがれ落ちた腸の内壁などからできていて、
大腸内を「ぜん動運動」という大腸自体のクネクネとした動きみよって1~3日かけて運ばれていきます。
便は、全長1.5mの大腸内を運ばれる間に水分を吸収され、徐々に固まっていきます。
S状結腸まで運ばれると「大ぜん動」という激しい腸の動きで一気に直腸へ送られ、直腸に便が入った刺激が脳に
伝わると便意をおこします。
ぜん動運動や大ぜん動が弱くて便を運ぶのに時間がかかったり、便意を無視して直腸に便が滞留したままになったりすると、
便は硬くなって排出しにくくなります。
ぜん動運動を弱めるもの
ぜん動運動は冷たい飲食物をとって腸を冷やしたり、睡眠不足や悩み事が数日間続いたりするだけでも
弱くなることが分かっています。
若い女性に便秘の人多いのは、身体が冷えやすい上に食事量が少ないからでしょう。
昔の人は食事の全体量は少なかったものの、根菜類や海藻類など便の量を増やす食物繊維をたくさん採っていたため
便秘のひとがほとんどいなかったといわれています。
一方、食べ過ぎは消化不良から腸内環境を悪くし、下痢だけだなく便秘を引き起こすこともあります。
食事量が多い人は、腸内環境を整えるためにオリゴ糖や乳酸菌が豊富な食品を摂るよう心がれるとよいようです。
ガスが溜まってお腹が張るのもぜん動運動を弱めます。
かきこんで食べると空気をたくさん飲み込んでガスが溜まりやすいので、食事はゆっくりとるようにします。
豆やイモなどを食べるとお腹が張る人は、水分を蓄えて便をやわらかくする水溶性食物繊維が豊富なオクラやナメコ、
もずくなどのネバネバ食品を摂りましょう。
うつ伏せになって左右ゴロゴロ転がり運動も、腸を刺激してガスが出やすくなるとされています。
自分に合った改善法を
便意を我慢しない。便意を無視することで起こる便秘は便んの滑りをよくするオレイン酸という脂肪酸が豊富な
オリーブ油やアボガド、アーモンドなどの食品などの食品を摂ったりするとよいようです。
健康のためのお食事、食べるための歯は、やっつぱり大事ですね。めざせ快腸生活