認知症になりたくなければ、歯を守りましょう(4)
前回述べた35歳を過ぎたら脳のために変えなければいけない「ある習慣」とは「歯のケア」なのです。そして、認知症の原因物質の発生源となるのが、口の病気である「歯周病」なのです。
認知症の患者さんの多くは身だしなみを整えるという感覚を忘れているため、自分で歯磨きもしなければ、入れ歯のケアもしません。
食べたものがそのまま口の中に残っていたり、歯垢がいたるところにこびりついていたり…。口臭も凄いです。
そんな患者さんのことが気にかかってはいても、ご家族はなかなか患者さんの歯を磨くことができません。
「おじいちゃんは嫌がるので、磨けません」
「おばあちゃんはデイサービスの時しか、歯を磨かせてくれません」
「入れ歯をしていますが、嫌がるので、ここ何年も外していません」
こんな事は珍しくないのです。
認知症患者さんの口の中が、凄いことになっていることに気付いた長谷川先生は、歯科衛生士にお願いして、口腔ケアを始めてみました。
すると、思ってもみなかった改善例が出始めたのです。 歯科衛生士さんによる歯のケアで、認知症の症状が改善した患者さんが何人も現れてきたのです
歯のケアによって、認知症の症状が改善し、脳が若返ったのです。
認知症の患者さんの治療には、薬物療法や非薬物療法などがありますが、歯のケアをすることで、薬も使わずにたいした時間もかけずに認知症の症状を改善できたことに認知症の専門医である長谷川先生も大変驚かれたそうです。
認知症の患者さんに奇跡をおこしたのは、歯のケアだったのです。