認知症になりたくなければ歯を守りましょう(7)
歯でモノを咬むと、咬む度に脳に大量の血液が送り込まれます。
歯の下には、「歯根膜」というクッションのような器官があって、歯はそこにめり込むようにして立っています。
咬むときは、歯がこのクッションに約30ミクロン程度沈み込みます。
そのほんのわずかな圧力で、歯根膜のある血管が圧縮されて、ポンプのように血液を脳に送り込むのです。
その量は、ひと咬みで約3.5ml。
3.5mlといえば、市販のお弁当についている、魚の形の醬油入れ。
あの小さい容器がだいたいそのくらいのサイズです。
だとすれば、「咬む」ということは、その度に、あの容器いっぱいの血液をピュッと脳に送り込んでいることになります。
ひと咬みでこの量ですから、よく咬む人の脳にはひっきりなしに血液が送り込まれて、その間は常に刺激を受け続けていることになります。
つまり、咬めば咬むほど刺激で脳が活性化されて元気になり、どんどん若返るのです。
ところが、歯の本数が少なくなればなるほど、歯根膜のクッションにかかる圧力が減って、
脳に送り込まれる血液の量が少なくなります。
脳への刺激が減って、脳機能の低下につながるわけです。
脳機能の低下は、ヤル気の喪失や、物忘れを引き起こし、やがては認知症へとつながっていきます。