認知症になりたくなければ歯を守りましょう(14)
口腔内細菌がもたらすさまざまな病気(1)・・・歯周病(その2)
・プラーク中の細菌数は、肛門よりも多い
プラークは、食事の後に口の中に残る食べカスではありません。
口の中で増殖した歯周病菌やむし歯菌などの微生物の塊なのです。
自分の歯の根元を爪でこすってみてください。
白っぽいネバネバしたものがとれませんか?
これが食べカスではなくプラークなのです。
もともと、口の中には、100億の細菌がいると言われています。
この数は、肛門にいる細菌の数よりも多く、歯のケアが不十分で口の衛生状態が悪い人の場合は1兆を超えるそうです。
・食後8時間でできるプラークは、24時間で歯石になる
歯周病菌やむし歯菌などの細菌は、口の中の食べカスをエサにして増殖します。
食後4~8時間程度でネバネバとした粘液を出すプラークとなりますが、そのまま放置するとさらに凄い勢いで増殖し、約24時間後には石灰化して「歯石」となります。
プラークは日本語では、「歯垢(歯のアカ)」と言いますが、この「垢(アカ)」から水気が抜けて、硬い「石」になるのです。
ネバネバしたプラークは歯磨きで落とすことができますが、硬い歯石は歯磨きでは取ることはできません。
また、歯石の表面は、歯の表面よりもザラザラして引っ掛かりがあるため、歯よりもずっとプラークが溜まりやすくなります。
つまり、歯石が溜まると、より歯周病になりやすくなるのです。
・歯周病が起こす口の中の「ボヤ」が全身に飛び火します
プラークが溜まって歯周病が進行すると、歯ぐきが赤く腫れてきます。
本来、健康な歯ぐきというのはピンク色をしているのですが、歯周病の患者さんの歯ぐきは真っ赤です。
これは、歯ぐきに軽度の炎症、つまり、「ボヤ」が常にあるということです。
ボヤを消さずに放置していたらどうなるでしょうか?
当然、さまざまなところに飛び火します。
人間の体内でも、同じことが言えます。
口の中のボヤが脳に飛び火すれば認知症に、心臓に飛び火すれば心筋梗塞を引き起こすます。
ですから、歯周病予防のために、歯石になる前に、プラークを落とす歯磨きをする必要があるのです。