認知症になりたくなければ歯を守りましょう(28)
脳の老化を防ぐ歯のケア方法・・・・・・その4
歯磨きが1日1回の方〈レベル1〉→「基本ケア」をマスターしましょう(その2)
なぜ、1日1回は、徹底して歯の汚れを落とすことが重要なのでしょうか?
その理由は、プラークや歯石が生成されるスピードにあります。
歯周病菌やその他の口腔内細菌の塊であるプラークは、食後4~8時間ほどで生成されます。
このプラークを放置すると、そこから24時間ほどで歯石になると言われています。
試しに、舌先で自分の歯の表面を触ってみてください。
なんとなくザラザラしたものを感じませんか?
もしザラついているようなら、プラークが歯石になり始めている証拠です。
石のように硬くなった歯石は、歯科医院で専門の医療器具を使わないと落とすことができなくなります。
ですから、歯が抜ける原因となる歯周病を防ぎ、脳の老化を防ぐためには、プラークが歯石になる前に、徹底した歯磨きをする必要があるのです。
この話をすると、「1日1回丁寧に磨けばいいのなら、1日に2回も3回も歯を磨く必要はないのではないか?」という方がいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。
口腔内細菌であるプラークは、私たちの食事の食べカスをエサにして育ちます。
ですから、食後に毎回歯磨きをして口腔内の食べカスを減らしておくことが、歯周病や全身疾患を引き起こす口腔内細菌を増やさないための一番効果的な方法になります。
ただ、1日のうち何回歯を磨いても磨き残しがあれば、1~2日で歯石になります。
ですから、脳の老化を防ぐために歯を磨くのであれば、1日に最低1回は5分以上時間をかけて歯を磨くというのが、歯磨きの基本になるわけです。
中には、5分続けて歯を磨くのが面倒くさいという方もいるでしょう。
そういう方は、入浴中に湯船につかりながら歯を磨くなどの「ながら磨き」を行うとよいでしょう。
レベル1~3の歯のケアのすべてにおいて言えることですが、重要なのは、とにかく毎日続けることです。
せっかちな方は、このような方法を試しながら、楽しんで続けることを心がけてください。
では、1日1回だけ歯を磨くとしたら、そのタイミングは就寝前をお勧めします。
就寝中は殺菌効果のある唾液の分泌が減るので、起きているときよりも口腔内細菌が繫殖しやすくなります。
寝起きの際に口臭を感じるのは、口腔内細菌が増えているからなのです。
ですから、就寝前に徹底した歯磨きを行って、あらかじめ口腔内細菌を減らしておきます。
そうすることで、歯周病菌の増殖を抑えることができます。